2005年6月20日(月)12:31

フランス政府はブレア首相がEUの局外者に留まると述べる

ベルリン(AFP)

EU首脳会議の財政交渉の決裂を受けて、フランス政府はイギリスのトニー・ブレア首相の立場がEUのアウトサイダーに留まると評した。「イギリスの見解にはEU加盟国の多数が賛同していない」とフランスのカトリン・コロンナEU担当相はFrance 2 テレビに語った。ポーランド出身のダヌータ・ヒューブネル欧州委員は、貧しい地域への支援計画に悪影響が出ないよう、6月中に臨時首脳会議を開くことを求めた。

ブレア首相が7月初めにEU議長職を引き受けたならば、あらゆる国の見解に配慮しなくてはならない、とコロンナEU担当相は要求した。大多数が議長国ルクセンブルクの妥協案を受け容れる意向を示したのに、イギリス政府は「数ヶ国」を味方に引き入れたのだ。1984年に導入されたイギリスのEU拠出金割引には「もはや正当性はない」、とコロンナEU担当相は語った。

速やかにEU中期予算の合意が得られなければ、貧しい地域に対する支援計画の立案と補助金の支払いに遅れが出る恐れがある、とヒューブネル欧州委員は『ベルリーナー・ツァイトゥング』紙Berliner Zeitung に語った。「私たちは時間を無駄にしてはならないのだ」と地域助成担当のヒューブネル委員は警告した。

ヒューブネル委員によれば、とりわけ中東欧の新規加盟国が今の膠着状況により打撃を受けるという。中東欧諸国は将来EUの地域援助の53パーセントを受給することになる。しかし、中東欧諸国は現行の予算計画には完全に組み込まれていないため、速やかな合意がなければ2007年以降は、経済力に応じた支給額よりも少ない金額しか支給されないという。

粘り強い交渉にもかかわらず、EU各国首脳は金曜から土曜の夜にかけて、EU財政計画をめぐる論争を調停することができなかった。ブレア首相は、2007年から2013年のEU財政構造の抜本的改革なしにイギリスの拠出金割引を放棄することを拒否した。

ルクセンブルクは、先週のEU首脳会議で勧奨されたEU憲法の「熟考期間」とは無関係に、予定どおり7月10日に憲法条約の批准を問う国民投票を実施することになった。政府はこの期日を順守することに賛成だ、と緑の党のフランソワ・ボーシュ党首はニコラ・シュミット副外相の発言を伝えた。この決定にはすべての党が賛成している、とボーシュ党首は述べた。延期するか否かの決定は議会が行う。

原題:Paris bescheinigt Blair Aussenseiterrolle in Europa




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